鹿島建設(東京都港区)は、愛知県名古屋市で開発している中規模オフィスビル「名古屋伏見Kフロンティア」の実施設計段階におけるCO2排出量が、基本設計段階との比較で35%削減を実現したと発表した。
「名古屋伏見Kフロンティア」の開発地は愛知県名古屋市中区錦。地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅から徒歩1分に位置する。
建物は敷地面積2442㎡、延床面積2万5811㎡、地上13階地下1階のオフィスビルで、2025年10月に竣工予定。旧建物の地下躯体の利用や低炭素建材の適用などのCO2排出量削減ノウハウを活用した「環境配慮型オフィスビル」として、同社では「合理的なCO2削減プランを検討する実証モデル」に位置付ける。
外観デザインは、伏見の地域性を取り入れ、古くからの繊維問屋街にちなんだ織物から連想される縞模様と、地域に点在する神社仏閣の自然から連想される竹林のイメージを取り入れ、天に伸びるデザインで地域の発展と企業の成長を表現する。
オフィスは、基準階貸室面積1454㎡、最大6分割が可能なほか、屋上テラスや入居者専用ラウンジの設置を予定している。
旧建物の地下躯体の山留としての利用や、低炭素建材の適用拡大、高効率な照明設備および空調設備を採用した省エネ設計、長期修繕計画に基づいた最適な更新・修繕プランを策定。さらに、CO2排出量が少ない高炉セメントコンクリートや、独自の環境配慮型コンクリートの一部採用、高炉鋼材から電炉鋼材への一部置き換えなどにより、前述のCO2の35%削減を実現した。「ZEB Ready」、「CASBEE-建築Sランク」、「CASBEE-ウェルネスオフィスSランク」も取得している。
鹿島では今後、同物件で得られた知見を様々な用途や規模の建物にも活用し、合理的で具体的なCO2排出量削減プランをスピーディーに顧客に提案。脱炭素社会の実現に積極的に貢献するとしている。