ビル業界トピックス

コクヨ 「自社ビル一棟まるごとリノベ」開始 企業保有の中小ビルを再生し価値向上へ

 コクヨ(大阪市東成区)は、企業などが保有し自社使用する中小規模の老朽化したビルを対象に、「自社ビル一棟まるごとリノベーションサービス」を提供開始する。

 同サービスでは、経営資源としてのビル価値を向上させつつ、建替えに比べて工期やコスト軽減、環境配慮も図ることができる。建築費のみで新築の約半分程度の坪80万円からで、設計・工事期間も1年程度の短縮が可能。また、二酸化炭素の排出量も大幅に削減できるという。

 既存ビルの建築条件・設備要件に応じた柔軟な手法で、自由な使い方を提供する。活用できていない屋上エリアを緑化テラスへ変えて、「繋がり・交流」を生む仕掛けとして再生させたり、内階段や吹き抜け、外壁に開口を設け、光・風・景色を取り込むことで開放的な空間を構築することも可能。用途や目的に応じて、動線・エントランス計画の再設計など、組織の働き方に応じて提案する。

 個人の働き方や業務にあわせて選べる多様なワークシーン、社内外の交流を活性化するオープンイノベーション拠点としての機能整備、社内外へのブランディング支援など、企業の醸成したい雰囲気に合わせることができる。
 施設運営のサポートも実施する。飲食店や物販店との連携や、地域・エリア活性視点でのイベント企画のほか、受付業務や施設予約管理などのサービスも提供する。

 コクヨでは、中小規模ビルが築後数十年を経過して建物や設備の老朽化が進み、経営資源としての価値減少を課題に挙げる。さらに、建替えや移転コストなどの上昇、老朽化したビルにおける人材確保や企業風土醸成の困難など、ワークプレイスとしての在り方についても指摘する。

 こうしたなか同社では、2021年2月に東京品川オフィスなどの自社ビルをリニューアルし、これらの解決を図ってきた。今回のサービスは、これまでの取り組みで培ってきた独自の知見やノウハウをもとに提供するもの。

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