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【週刊不動産経営】国産木材のシステム床材開発 三菱地所など6社「地球によいもの、みんなでつくる、使う。」

 三菱地所(東京都千代田区)は乃村工藝社(東京都港区)、三洋工業(東京都墨田区)、リンレイ(東京都中央区)、丸山金属工業(千葉県船橋市)と共同で、南九州産スギなど主とした国産木材活用の木製フロアユニット「WOOD FLOOR UNIT 3・2(仮称)」(特許申請中)を開発。グループ会社のMEC Industry(鹿児島県霧島市)で製造、試行販売を開始した。第1弾として三菱地所が新丸ビルで運営するイノベーション施設の一部に同製品を敷設し、5月31日報道関係者を対象に内覧会が開催された。

 同製品はCLT(Cross Laminated Timber:木の板の層を直交するように積層接着した大判パネル)を活用したフリーアクセスフロア。床一面に木目の広がる高い意匠性、CLTの強度を生かした機能性、木材の炭素固定効果による地球温暖化防止に繋がる環境貢献機能を有した「新建材」。日本国内において防耐火規制から構造利用したCLTを現しにすることが難しく、天然の木材を活用した内装は特注品対応となるケースが多くコスト面に関しても課題があった。三菱地所は同社のノウハウを生かし、国産木材を活用した気軽に使える規格型の新建材を開発した。

 同製品の特徴として、まず不燃処理が不要なためCLTを空間の意匠として現すことが可能。同製品の上にカーペットは貼らず、パネル自体が仕上げ材としても機能する様に表面には丸山金属工業による金物が見えない特殊な接合部で簡単接合を実現。コーティングにはリンレイが開発した木目や手触りなど木の質感を生かしながらメンテナンスしやすい、天然木専用のコーティング剤を使用した。同製品を100㎡使用した場合、約3・2tの炭素固定効果が期待されるという。

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