ビル業界トピックス

「GREEN TERRACE表参道」建設進む 様々な人が食事やショッピングを楽しめる・体験できるビルに

東京メトロ「表参道」駅から徒歩2分のロハス通り沿いで、現在商業ビル「GREEN TERRACE表参道」の建設が進んでいる。

 「GREEN TERRACE表参道」の建築主及び資産保有会社はスリーエフ(東京都港区)で、設計はツチヤタケシ建築事務所(東京都中野区)、施工は北野建設(東京本社・東京都中央区)が担当する。竣工は2024年冬の予定だ。

 元々同地には1986年3月竣工の「クレヨンハウスビル」が立地していた。同ビルは地上3階地下1階の商業ビルで、絵本やおもちゃ、オーガニック食材などを取り扱う「クレヨンハウスのビル」として同エリアでは認知されていた。しかし、建物の老朽化に伴い、建替えを行うことに。長年親しまれてきたクレヨンハウスの良さも生かす形で、単なる商業ビルとするのではなく、お子様連れから年配の方まで、様々な人々が自由に食事やショッピングを楽しめる・体験できるビルを目指す。

 新たに誕生する「GREEN TERRACE表参道」は地上4階地下1階で、延床面積は1020・20㎡。ビル正面と側面の2方をセットバックさせ、特にビル正面には4mの遊歩道を確保。来館者や道行く人が楽々と歩けることを念頭に置きつつ、表参道から続くロハス通り沿いでの遊歩道の連続性も意識した。また地下フロアには大型ベッドも併設された誰でもトイレ(バリアフリートイレ)やナーサリールームを設置。エレベーターはバギーを複数台乗せることのできる24人乗りと、大型サイズを採用。スリーエフの中澤明子社長は「誰でも食事やショッピングを楽しめるように、使いやすい・障壁のない、快適な設計と造りを意識しました。お子様連れや大型ベッドが必要な車イスを利用する方もビル全体を不自由なく巡ることができることは、表参道エリアでも希少と思います」と語った。

 また設計に携わったツチヤタケシ建築事務所の土屋毅社長は「ビルの動線は、屋外回廊を歩きながら最上階へ移動できるように設計しました。遊歩道、各階のピロティと経由しながら屋上まで巡ることができ、各所には多様な植栽を設けることで癒しや安らぎをテナント及び来館者へ提供しています。また植栽に囲まれる外観とすることで、築年数が経過しても物件のイメージは損なわず、むしろ印象が高まる造りとなっています。ピロティやテラスの植栽により、立体的な緑の空中庭園を表現することができました。バルコニーでは気軽に休憩できるスペースを設け、かつ来館者を自然と屋上へ誘う造りにもなっています。近隣には低層の建物も多いので、屋上から見える景色はビルの強みです」と語った。

 賃貸区画は1階と2階が約80坪。3階は約50坪で、4階は約30坪。地下フロアは約50坪となる。リーシング及び不動産管理を行うのがグループ会社のスリーエフ不動産(東京都港区)代表取締役社長の中澤慶人氏で、表参道エリアやビルのコンセプトに合うテナントを誘致している。ちなみに同エリアはコロナ禍からの回復傾向にあり、むしろ脱した状態とも思われる。表参道へ出店したい企業や店舗、新しいビルに移転したい需要もあることから、来年冬の竣工間際には満室稼働も想定される。

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