ビル業界トピックス

コリアーズ・インターナショナル・ジャパン Z世代はコロナ禍収束後もテレワーク志向 インターネット調査を実施

 大手総合不動産コンサルティングサービス・投資運用会社であるコリアーズ・インターナショナル・ジャパン(東京都千代田区)は、東京23区内に正社員として勤務するZ世代に働き方に関する意識調査を実施。今月12日に調査結果を公表した。この調査は9月13日~20日の期間のインターネット調査によって行われたもので、調査対象は東京23区内に正社員として勤務する18歳から27歳の男女。有効回答数は825名となっている。

約50%がテレワーク未実施もタイパ重視の回答目立つ結果

 コロナ禍を通じてテレワークが普及し、働き方の大きな変化に伴ってオフィスの在り方も大きく変化した。同社リサーチディレクター&ヘッドの川井康平氏は「企業のオフィス選びにおいて、人材の採用に有利なオフィスの整備が重要となっています。Z世代の働き方に対する意識を分析することで、『どのようなオフィスが求められているか』を絞り込むことができるのではないでしょうか」と、今回の調査を実施した背景について述べる。

 「あなたはテレワークをしていますか?」という設問に対しては、50・2%が「していない」と回答した。また、テレワークをしていると回答した人の中で最も多かったのが「週に2日」という回答であった。約半数がテレワークを行っていないと回答した点について、川井氏は「Z世代は企業の中で社歴が比較的浅く、研修などでオフィスに出社する機会が他の年代に比べ多いものと思われます」と話す。

 一方で、「あなたは今後、出社を増やしたいと思っていますか?それともテレワークを増やしたいと思っていますか?」という設問には、49・8%が「テレワークを増やしたい」または「どちらかというとテレワークを増やしたい」と回答した。先の設問でテレワークをしていないと回答した人の回答だけを抽出すると、テレワークを今後増やしたいとする人は63・5%まで増え、テレワークをしていない人ほどその希望が強いことが分かった。

 テレワークをしている人に「する理由」について聞いてところ、最も多い回答が「通勤時間がもったいないから」の56・0%で、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視するとされるZ世代らしい結果となった。逆に、テレワークをしていない人に「しない理由」について聞いたところ、「会社の方針」という回答が飛びぬけて多く、テレワークをしていない人の多くは自発的にしないのではなく、外的要因によって「したくてもできない」状況にあることが分かった。

 理想とする通勤時間に関する設問では、「16分以上30分以下」と「31分以上45分以下」と回答した人が多く、東京23区内で働きたいと考える街は東京、大手町、有楽町が上位を占めた。

 また、同社プロジェクトマネジメント シニアディレクター&ヘッドの毛利郁氏は、最新の企業ニーズに即したオフィスづくりについて解説。都内にオフィスを構えるある外資企業では、コロナ禍によって出社率が3割程度まで減少。そのため余剰となったオフィス床約1000坪を返却した上で、残ったスペースのレイアウト変更を実施した。役員室として使用されていた箇所は高い遮音性・気密性を生かし、社内打ち合わせなどに用いるプロジェクトルームとして活用。オフィスはフリーアドレスを採用したほか、小打ち合わせや社員同士のコミュニケーションを図る多目的スペースや、カフェのような内装でリラックスして仕事に臨めるスペースなど、その時々の働き方に応じた空間を用意したという。そのほか、毛利氏は「直近ではビルオーナー側が一部フロアをワークラウンジとして整備し、入居テナントに開放する事例も増えています。こうした取り組みはビルの付加価値向上につながり、競合ビルとの差別化にもなるでしょう」と述べている。

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