無印良品を展開する良品計画(東京都豊島区)は、今月8日に「無印良品 グランフロント大阪」をリニューアルオープンした。4階フロアのみだったエリアを2~4階までに拡大。売り場面積はリニューアル前の約2倍で、関西最大の店舗となる。
空間設計サービスをコワーキングで体感
無印良品は「全国津々浦々で、生活の基本を支える」を目指し、日常の基本を支える商品・サービスを手に取りやすい適正な価格で提供することを進めてきた。今回オープンした梅田地区は近年再開発が進み、新駅ができることで国内外より多くの人が集まる関西の玄関口が形成されてきた。同店は東日本の旗艦店である「無印良品 銀座」と並ぶ西日本の旗艦店として、「みんなのライフパーク」をコンセプトにリニューアル。商品の販売だけでなく、暮らしの発見やヒントが得られる暮らしのテーマパークのような店舗とする。
リニューアルのポイントは多岐にわたる。無印良品の空間設計は木材や鉄、土壁など自然素材を多く取り入れた設計。地球環境や地域の資源循環を考慮した素材を選び、使う人が愛着を持って使い続けられるように、使う人たちや地域に関わる人たちとの共創をテーマに空間作りを行っている。同店舗では空間設計に関するサービスを全て提供できるよう、体感できる場を用意。また店舗内には積極的に国産材を内装に使用し、環境配慮にも拘った。
不動産やオフィスに関する分野では、同社が設計・デザインし、利用や体感できる場として4階にコワーキングスペース、キッズスペース、打ち合わせスペース、Cafe&Meal MUJIなどを設置する。オフィスや商業空間、公共空間での課題に対し、無印良品のものづくりの考え方を用いて解決方法を提案する空間だ。無印良品の商品中心にコーディネートしており、実際の使い心地を感じることが可能だ。
また、コワーキングスペースやCafe&Meal MUJIでは、無印良品で初めて導入するコーヒー焙煎機で焙煎した、淹れたてのコーヒーを飲むことができる。新たに販売を開始するブレンド3種類、シングルオリジン8種類の計11種類のコーヒーを「グランフロント大阪店」と「銀座店」限定で楽しめる。
6日にはオープンに先駆けて記者会見が行われた。代表取締役社長の堂前宣夫氏は「日々の暮らしに必要な衣服や食品、日用品から家具、家やリフォームしたマンションの部屋まで無印良品の最新の商品が全て揃うほか、収納やリフォーム、住宅、オフィスデザインや公共空間の設計の相談までをワンストップで提供できるようになります。当社では2030年までのミッションとして『日常生活の基本を担う』ほかに、『地域への土着化』も掲げています。地域に巻き込まれ、地域の課題解決や街づくりに貢献していきたいです」と語った。
オフィス・店舗什器などプロ向け製品も販売開始
また、今回の店舗リニューアルに合わせ、オフィス・店舗向け什器や内装材、設備などの販売も開始した。合計32シリーズをラインアップし、工務店や設計事務所、リノベーション会社などに向けて販売する。
販売場所は「グランフロント大阪店」内に新設する事務所、「東京有明店」内の事務所のほか、専用のECサイトでも通信販売を行う。