ビル業界トピックス

戸田建設 ロボットコンサルティングを開始 第一号案件も決定

 戸田建設(東京都中央区)は、先月28~29日にかけて開催された「ZMP World 2024」に出展。29日にはイノベーション推進統括部 部長の黒瀬義機氏が登壇し、社会実装に関わるロボット導入コンサルティングの現状について語った。

 同イベントは、ロボットの企画・開発を展開するZMP(東京都文京区)が主催するもので、今年で第16回目。ロボット開発会社やシステム会社、EV関連企業などの関係者が集った。

 黒瀬氏は、施設におけるロボット活用のコンサルティング業務を今年4月に開始したことを発表。「戸田建設の主事業である建設受注につなげることが狙い」とした。

 同社のコンサルティングの強みは5つ。エレベーターと連携した縦方向の移動、セキュリティシステムと連携した横方向の移動、複数ロボットを稼働させるための群管理、ロボットとネットワークの連携、企画ガイドラインの作成と多岐にわたる。

 また黒瀬氏は、ロボット導入がうまくいくポイントとして「実装の計画」、「経営者と担当者の距離」、「ロボットカスタマイズ」の3つを指摘した。「例えば、清掃業務など、人手不足の現場でもロボットと人間が分担することでうまくいく。よく『ロボットの方が品質が高い』と言われますが、ロボットは移動範囲が限られます。ロボットが活用できる範囲だけで考えることが大切で、当社ではそうした課題を踏まえて丁寧に実装計画を検討しています」(黒瀬氏)

 戸田建設では、3月に江東区のホテル「Lstay&grow南砂町」で実証実験を実施。案内、清掃、宅配用の3台のロボットと管理システムを連携し、ロボット同士の衝突の回避とスムーズな動線の確保を研究していた。今後は既に決定しているという第一号案件を皮切りに、コンサル事業の場を広げていく構えだ。

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