LOOPLACE(東京都千代田区)は、物件取得から商品企画・設計・施工まで自社で手掛ける収益不動産のシリーズ「gran+(グランプラス)」を展開している。昨今は新富町と浅草橋で既存ビルを取得。同シリーズでの展開を計画している。
新富町と浅草橋でビル取得gran+での展開計画
gran+は取得した築古ビルを高収益物件へ再生。セットアップオフィスなどの付加価値を創出しながらリーシングまで行い、最終的には売却する収益不動産の再生事業。これまで10棟以上を手掛けており、エリアや立地にも左右されないデザイン性やブランド力を実現してきた。昨年末には入札で、東京メトロ有楽町線「新富町」駅から徒歩3分に建つ「新富1丁目ビル」を取得。1989年竣工の地上9階地下1階建て。延床面積436・93㎡のコンパクトサイズ。ビルは「gran+GINZA EAST」として事業化し、各階の貸室にセットアップオフィスと会議室をつくる。同社の得意とするベンチャー・スタートアップを対象とし、彼らの成長移転先に好まれる環境や設えを構築する。近隣ではセットアップオフィスが増加傾向にあり、これらオフィスとは差別化しながら、駅からのアクセス性や銀座アドレスなども生かしたリーシングを計画。工事完成は6月末の予定で、リーシング開始は夏頃とみている。
一方台東区浅草橋で取得した物件は、JR総武線「浅草橋」駅西口から徒歩1分の好立地に建つ元クリニックの一棟ビル。今年3月に取得し、「(仮称)gran+ASAKUSABASHIⅡ(グランプラス浅草橋Ⅱ)」として事業化。同ビルも駅からのアクセス性に優れており、オフィス・商業とどちらの需要も高い場所に立地する。オフィス仕様か、それとも店舗仕様(商業)かで現在検討しており、また1棟ビルでのリーシング、もしくは数フロアに分けて行うかでリノベーション内容も決まってくる。着工は7月の予定で、完成は年内を目指すとのこと。不動産ソリューション事業部の佐野権人氏は「『gran+』を購入する人は不動産事業者や地方の不動産オーナー、資産管理会社などが多く、中には自社使用の1棟ビル(自社ビル)で取得するケースも見られます。新富町の物件がよりベンチャー・スタートアップを意識しており、浅草橋は穴場の良好物件としてPRを計画しています」と語った。
オフィスへ用途変更 ベンチャー向けに再生
直近では5月末に、千代田区鍛冶町1丁目で「gran+KANDA(グランプラス神田)」が完成した。築30年の1棟ビルで、規模は地上7階地下1階建て。従前はカプセルホテルとして利用されていた物件をオフィス仕様へコンバージョン。成長期のベンチャー企業向けオフィスに再生させた。今回は地上階の全フロアでセットアップオフィスを行い、従前シャワー室として使用されていた地下フロアでは入居者専用の共有ミーティングルームをはじめ、テレカンブースやプロジェクトルーム(小個室)などを構築。設備の整ったオフィスに仕上げることで、移転コストの圧縮や事業開始のスピード力などを実現した。
佐野氏は「学生街でもあった神田エリアは、映画館やカフェ、ビリヤードなどの文化の下地もあり、娯楽要素の感じられる場所でした。これら要素からインテリアデザインには、『楽しむ・遊び心』をキーアイコンとして採用し、これまでの『gran+』には見られない、遊びの強い内装デザインに仕上げています」と語った。6月4~6日までの3日間にわたって、内覧会を予定。本格的なリーシングも6月からの開始が見込まれる。