茨城県境町と軒先の取り組みが「第1回シェアリングシティ大賞」受賞
シェアリングエコノミーの業界団体・シェアリングエコノミー協会(東京都千代田区)は15日、「全国シェアリングシティフォーラム2024~持続可能な地域社会の実現に向けた『公民連携』の形とは~」を開催した。
シェアリングエコノミー協会は2016年の設立以来、「心ゆたかな暮らし」と「持続可能な環境・社会・経済」を目指してシェアリングエコノミーの普及活動に邁進。現在は約400の企業や団体と177の自治体が参加し、シェアリングエコノミーの市場規模拡大に貢献している。
フォーラムの前半では、「第1回シェアリングシティ大賞」の授賞式を実施。全国各地の多様なシェアリング事例を発掘、外部に共有することを目的として創設されたもので、優秀賞に7事例、メディアパートナー賞に3事例、特別賞に11事例、大賞として1事例が選ばれた。
大賞は茨城県境町観光協会と軒先(東京都港区)による「歴史ある花火大会を守れ!単なる提携やシステム導入で終わらない駐車場シェアサービス」。「利根川大花火大会」において実施された駐車場シェアリングの事例となる。
毎年20万人以上が来場する「利根川大花火大会」では、例年不正駐車や町内の交通麻痺が課題とされ、解決策として導入したのが、軒先が提供する「軒先パーキング」。駐車場を予約制・有料制にして混雑緩和に寄与するほか、駐車場の運営管理も請け負い負担軽減とコストカットを実現。官民が手を取り合ったサポート体制が評価された。
フォーラムの後半では、茨城県境町の橋本正裕町長、長野県飯田市の佐藤健市長、福岡県古賀市の田辺一城市長、佐賀県佐賀市の坂井英隆市長、シェアリングシティ推進協議会代表兼AsMama代表取締役CEOの甲田恵子氏を交えたパネルディスカッション「持続可能な地域社会の実現に向けた、自治体のこれからの役割とは」、軒先代表取締役の西浦明子氏、日産サティオ徳島代表取締役の藤村泰之氏、WHERE代表取締役の平林和樹氏、シェアリングエコノミー協会代表理事兼ガイアックス代表執行役社長の上田祐司氏によるパネルディスカッション「地域社会の未来におけるシェアリングエコノミーの可能性」を開催。地域社会とシェアリングエコノミーの連携の展望について議論が交わされた。
シェアリングシティ大賞を企画したシェアリングシティ推進協議会事務局長の高田理世氏は「シェアリングエコノミーの成功・失敗事例について、ご参加いただいた皆様の新たな発見や出会いの場となれば幸いです。シェアリングシティ大賞は、今後も年に一度ほど開催する予定です」とした。