仕事への意識高いほど出社求める傾向に
改修・移転に伴うワークプレイスの構築、オフィス仲介業等も手掛けるフロンティアコンサルティング(東京都千代田区)は先月31日、「ワークステージトレンド2024」を発表した。
ワークステージとは、これからの社会に必要な働く場を表すために、同社が編み出した造語。オフィスなど単なる「場所」に対し、ワークステージはワーカーひとり一人が「輝きながら働ける場」として、場所と機会を融合させた概念。昨今の働く場づくりでは場所の提供と共に、運用面での機会提供の必要性も唱えられている。一方、ノウハウや運用体制の整備も課題だ。ワークステージトレンドでは、オフィスやワークプレイス等の「場所」をワークステージへ昇華するべく、ワーカーの意識や社会の潮流から不透明な内容を整理。働く環境づくりの新領域への発展と、解決の示唆を提供することを目的に行った。
2019年までは、オフィスは単なる作業を行う場としての認識が強かった。20~22年でオフィスがコミュニケーションの場に。昨年はオフィスに「働きがいを生む場」という役割が付加された。これからは、そこで働くワーカーに貢献実感や自己実現を叶える環境・機会の提供が必要になる。ちなみに同社では働きがい(貢献実感や自己実現)を意識した働き方を「コンシャスワーク」。実践するワーカーを「コンシャスワーカー」と定義している。
今年の調査では貢献の実感度や志向度によって、ワーカーの特徴や働く環境に対する印象・期待に違いがあった。同社は今回全国2000名のワーカーへアンケートを実施。現在仕事において貢献実感がある、今後も仕事で貢献実感を得たいという「実感志向型」は、上場企業やその他(非営利法人や公法人)に多かった。反対に貢献実感及び志向が低い「非実感非志向型」は、非上場に多い傾向が見られた。また現状貢献実感が高い実感志向型はストレスが少ない傾向にある一方、実感度・志向度が低くなるにつれてストレスも増加傾向となった。スキル習得などの学習意欲も実感志向型が高い傾向にある。
実感志向型の勤務先での制度整備状況は、場所・時間・雇用形態においても柔軟性の高い傾向が見られた。貢献の実感・志向が低いワーカーほど、テレワーク率が低い(勤務先への出社割合が高い)傾向にあった。今後も貢献実感を得たいという志向型のテレワーク希望率は、非志向型よりも高い。ただし、テレワーク率90~100%を希望と回答した実感志向型の割合は、非実感非志向型の半数ほどに留まった。貢献実感・志向が高い人ほど、週1日以上の出社を求める傾向がある。更に貢献実感・志向が高い人ほど、オフィスを「チーム作業やコラボレーションを行う場」、「働く仲間との信頼関係を構築する場」と捉える傾向にあった。