サクサホールディングス(東京都港区)が実施した中小企業の経営者調査によると、「DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる」との回答は約27%だった。具体的なDXの施策を聞いたところ、「書類の電子化」、「顧客管理(名刺管理を含む)」、「情報セキュリティ対策」、「勤怠管理」との回答が多く、それぞれ半数近くに達した。人手不足が深刻化する不動産業界では、DXを通じた生産性向上や業務効率化が求められている。今後はさらにDXを導入する企業が増えると見られる。
サクサは中堅・中小企業のオフィスのDX支援や情報通信システムの開発、製造、販売などを手掛けている。調査は同社が中小企業の経営者を対象に7月21~24日に実施し、218件の回答を得た。回答した企業の業種は不動産、建設、製造、卸売・小売、不動産、サービス、情報通信、金融・保険、宿泊など。
「DXで具体的にどんなことを実施しているか」との質問に対しては「書類の電子化」が49・2%と約半数を占めた(複数回答)。「顧客管理(名刺管理含む)」が47・5%で続いた。「経費精算」、「情報セキュリティ対策」もそれぞれ40・7%と非常に高い比率を占めた。
「電子契約・決済」、「スマホ活用」、「その他業務管理」も、それぞれ全体の3分の1と比較的高い水準に達した。「勤怠管理」や「PC、スマホ付与によるノマドワーク」も2割以上の経営者がDXで実施している具体例としてあげた。
一方で「DXに取り組んでいない」との回答も72・9%あった。予算不足や人材不足もあり、多くの中小企業ではなおDX化に着手することが難しい状況が続いているようだ。